『アイアンが上手く打てる時にはウッドが上手く打てない』
こんな相談が増えてきました。上級者の多くが一度は経験している悩みの1つではないでしょうか?
私も同じような悩みを持ち「アイアンと同じように打てればウッドもうまく打てるはず」と信じて練習に励んだ時期もあります。実際にたくさん練習することで克服しました。こればかりは練習で克服していくしかないのです!
しかし、今になって振り返るとクラブの形状とシャフトの違いにもっと早く気付いておけば良かったと思います。少し考えれば当たり前の事なのですが、当時はスイングのことばかり考えてましたからね。
そこで今回はクラブの形状の違いとシャフトの違いについて、そして「同じように振ってはいけないわけ」をお伝えします。
まず、ウッドとアイアンの違いについておさらいしていきましょう。
【目的】
ウッド=飛距離を出すクラブ
アイアン=狙ったところに打つクラブ
ウッドは飛ばすことを目的に作られていますし、実際遠くに飛ばしたくなります。それに比べてアイアンは、ウッドほど遠くに飛ばそうとはしないはず!つまり、意識するしないにかかわらずウッドの方がよりシャフトに強い力をかけがちです。
【見た目の違い】
ウッド=ずんぐりと大きい
アイアン=シャープで小ぶり
ウッドはアイアンに比べて体積が大きくずんぐりとしています。これはシャープなアイアンと比べてクラブの重心位置がヘッドの後方に移動することを意味し、シャフトの軸から離れてしまいます。つまり、同じように振ったとしても形状の違いからシャフトにかかる負荷が違ってきます。
【シャフトの違い】
ウッド=長くてネック側の直径が細い
アイアン=短くてネック側の直径が太い
シャフトの素材がカーボンかスチールか?重量はどれくらいか?この2つが違えば振り心地は違います。そして意外と知られていないのがシャフトの直径の違いです。
シャフトのチップ(ヘッド側)の直径は、アイアン9.0㎜、もしくは9.4㎜。それに対しウッドは8.5㎜です。また、バット(グリップ側)の直径は15.24㎜を基準に±0.5㎜くらいの差があります。たったコンマ数ミリの違いですが、大きな負荷がかかるほどその影響は大きくなります。もちろん、長さによる違いも大きく影響するので見逃せません!
ここまで書けば皆さんおわかりですね!
ラウンドで使う14本のクラブは、すべて振り心地が違う!!!!
アプローチやパターでは同じように振ろうとはしないと思いますが、ショットではすべてのクラブを同じように振ろうとしてしまい、負のスパイラルに陥るのです。
練習量が多く、ミスも少なくなってきた中級~上級者ほどクラブごとの振り心地の違いに悩みます。また、「同じスイングをしなければ」と繰り返し練習することで、さらに悩みが深くなってしまうのです。
スイングは同じ。でも感覚は違う。
アイアンとウッドではシャフトにかける負荷を変えなければいけません。これが、感覚で覚えるしかないゴルフの難しさなのです。