フジサンケイクラシックも決勝ラウンドに突入!
今年は例年になくハイレベルな戦いが繰り広げられていますね。
予選を7位タイで通過した正岡竜二プロはプロテスト合格が同じ年。
頑張って欲しいですね〜!
さて、前回に続き富士桜カントリー倶楽部の攻略法とトーナメントの裏話をお伝えしたいと思います。

富士桜カントリーの名物ホール16番は、グリーン左手前に池のある打ち下ろしのショートホール。ここのグリーンは縦長で奥行きが50ヤード近くあります。
フルバックティーから217ヤードある難関ホールなのですが、このホールは大会期間中ピンポジションによってティーの位置が変わります。
特に最終日は1つ前の187ヤードのティーグラウンドを使用することが多いです。
なぜ、わざわざ距離を短くして簡単にするのでしょうか??
実はここには簡単とは言い切れない深い理由があるのです。
最終日は左手前にピンを切ることが多いのですが、グリーンの傾斜は池に向かっています。
当然、良い位置からバーディーパットを打つにはピンの近く(できれば池とピンの間)を狙いたいですね!
最終日の優勝争いをしている場面では、自分の状況に応じて攻め方も変わってきます。
トーナメントリーダーは池ぽちゃのリスクを冒してまでピンの根本は狙いませんが、追う立場であれば、ある程度のリスクは仕方ありません。
200ヤードを超える距離になると、追いかける立場であってもピンを狙うとリスクの方が高くなるので、グリーンオンを優先して勝負しなくなります。「残りは3ホール。ここはパーで切り抜けて残りの2ホールで勝負しよう」と考え、消化ホールとなってしまうのです。
これでは盛り上がりに欠けますよね。
しかし、187ヤードのティーを使用した場合、打ち下ろしが10ヤード強、ピンが手前という状況も加味すると、実際に打つ距離は160ヤードから170ヤードと更に短くなります。したがって使うクラブは9番から6番までの間。
つまり、積極的にバーディーを狙いに行く選手が増えてきます。
優勝争いの中、バーディー合戦になった方が盛り上がりますし、距離は短くてもシビアなラインを狙うということは、思わぬミスも出ます。 「若干の危険は伴うが成功すればバーディーが狙える」という主催者の巧みなコース設定と、危険と分かっていながら打たざるを得ない状況によってエキサイティングなテレビ中継が演出されるのです。
そんな選手たちの葛藤に注目するのもトーナメントの見どころのひとつです!