中国ツアーの予選会での出来事です。
年末年始はプロゴルファーにとって就職活動ともいうべき時期になります。
シード権を獲得したプロは別として、試合に出たいが資格がないというプロは各国の予選会を勝ち抜いて出場権をつかみ取る必要があるからです。
ちなみに、日本でトーナメントに出場したいプロゴルファーは、日本ゴルフツアー機構の予選会に出場し、ツアーメンバーとなる必要があります。
毎年1000人以上が挑戦しメンバーになれるのは90人強。それ以外のプロはツアープレーヤーというカテゴリーにはなりますが、実際は失業です(システム自体がとても複雑なので割愛します)。
私が積極的に海外に行っていた頃は、まずは日本ツアーに挑戦し、次にアジアツアーもしくはワンアジアツアーに挑戦。それでもダメならアジア各国のツアーの予選会に挑戦するといった具合です。
つまり、賞金総額の高いところから挑戦していき、ダメなら次を考えるという感じです。
さて、本題に入りましょう。話を【魚肉ソーセージ事件】に戻します。
その年は中国ツアーの出場権をかけた海外枠予選会が、国外選手を対象に行われました。
オーストラリア時代の友人、スコットに誘われて参加した予選会。アジアの選手を中心に300人強が参加し30人通過という狭き門でした。
ちなみにスコットはスコットでも、アダム・スコットではありません(笑)。
私は初日、4オーバーという最悪なスタートでしたが、2日目から復活。3日目を終えてカットラインの中に戻ってくることができました。
行動を共にしていたスコットは、初日5アンダーと最高のスタートを切ったあと、2日目、3日目と無難にまとめ、3日目を終えて私と同スコア!
最終日は同じ組で回ることになりました。
2人そろって予選会を突破するには、お互いが良いプレーをするしかなく、親友といってもそこはライバル。楽しみではあるものの複雑な心境です。
最終日はバーディーが先行して流れに乗れている私に対し、スコットは苦しい展開。
ここで相手を気にかけてしまうと悪い流れが伝染するので2人に会話はありません。
スコットもわざと私から離れて歩きます。
『俺のことは気にするな。お前は通過しろ!』
と背中が語っています。
前半を終了し、私は予想カットラインから1打~2打のアドバンテージ。スコットは後半スコアを伸ばさないと安心できない位置です。
そんなシビアな状況の中で事件は起こりました。
約200ヤード、打ち下ろしのパー3。
前の組が空くのを待っていると、突然…
『おいっ!ふざけんな!!みよっち(私のこと)、これ見てよ!このボール触ってみ!!』
何事かと思いボールを受け取ると…
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